インドとマレーシアに転職した私が思う海外転職活動の際に考慮すべきポイント

海外転職

こんにちはKonorikoです。

私は現在マレーシアで日系企業の現地採用としてメーカーの営業職に就いています。
アレーシアに来る前はインドで現地採用として不動産営業をしていました。

インドに転職する前は日本で管理栄養士をしていたのですが一念発起して日本から飛び出してみました。
そのときは、インドに標準を決めていたわけではなく「とにかく海外へ出たい」と考えていました。
最初はワーホリを検討、でも必要な初期費用を捻出できない。
ネット検索を続けるうちに見つけたのが「海外転職」でした。

今回は、様々な国の求人を受ける中で気づいたことや、2回の海外転職を経て「ここも気を付けておくべきだった」と思ったことをまとめようと思います。

仕事自体の選び方もですが、日本とは勝手が違うので、実際に生活する場面をよく想定してご自身に合った国や仕事を選ぶ必要があります。
私もいろいろと考えて転職・移住したはずでしたが実際に生活してみるとまた違ったことが見えてきました。

実際に経験しないと分からないことも多いですが、海外移住は時間・費用・労力もかかるので、なるべく潰せるところは潰していきたいですよね。

主には実際に生活したインドとマレーシアを例に説明していきます。

仕事選び

海外で働く方法・雇用形態

日系企業の現地採用
現地採用とは日系企業の海外現地法人に雇用されることです。本社採用ではないので、日本側での給与や年金・保険などの加入は無いのが基本で、現地の保険や年金に加入するケースもあります。
日系企業は海外に新たなマーケットや安価な労働力を求めて進出していますが、日本から社員を派遣すると経費がかさみますし、社内で海外希望者や適任者が居ない場合もあるので、現地採用という形で日本人採用枠を設けています。
未経験で挑戦できる分野もあり、「日本人であること」、「日本語がネイティブ言語として話せること」のみを強みとして働くことができます。これだとほとんどすべての日本人・日本育ちの方が対象になりますので、あと必要なのは「海外に出る」という一歩のみです。
上記に加え特定分野の就労経験があると範囲は狭くなりますが、競合も減ります。

現地企業や、外資系企業の日本人枠もあります。私は実際には選考を受けたことはありませんが、日本人が誰も居ない環境であったり、日系企業より条件面が良くなかったり、課される業務がハードだったりという理由でエージェントの方にもお勧めされませんでした。しかし合う人にとっては良い環境だと思いますし、日系企業とは違った経験が出来るのは確かだと思います。

日本人であることを関係なしに仕事を探すのであれば、ネイティブレベルの英語力は必須で+何かしらの専門分野の知識経験が必要になるでしょう。

駐在案件も少ないですがあります。その場合は日本で海外赴任ありの条件で募集していることが多いです。現地採用よりも給与や各種手当などは手厚いので挑戦できる案件があればぜひ挑戦してみてください。

業種・職種

業種や職種は国や地域によって分布にばらつきがあります。
安価な労働力を求める場合、製造拠点として進出している企業が多く、消費市場としての進出であれば販売拠点が多くなります、それによって業界や職種にもばらつきが生まれます。

同じ国内でも
都市部は各企業の管理部門
地方は製造業
が多い傾向にあります。(これは日本でも同じですね。)

使用言語

その国の公用語、第二公用語は何か。
公用語でなくとも英語がどの程度通用するのか、業務では何語でのコミュニケーションが多いのか、などがポイントになってきます。
英語がある程度出来るまたは、英語スキルを伸ばしたい場合は、英語でのコミュニケーションが主のところが良いでしょう。
社内言語が英語でも実際の生活で使う言語は現地語が主な国も多いので、ご自身の志望に合わせてしっかりリサーチしてください。

例えばマレーシアは多民族国家であり、マレー系6割強、中国系2割強、インド系7%、+その他
公用語はマレー語ですが、英語もかなり通じます。公式文書などももマレー語に次いで英語で発行されるものが多いです。

インドの公用語はヒンディー語、準公用語は英語です。各州ごとに州公用語もあります。
インドと一言で言ってもインドの中に多数の民族・宗教・言語・文化が存在します。
私の住んでいたグルガオンは英語があれば問題なく生活できました。

タイやベトナムはマレーシアやインドに比べると英語は通じにくいです。反対に日本語の方が通じる場面もあります。会社によって社内言語が英語であったり日本語であったりするようです。

給与

ビザ基準の給与
国によってビザ最低基準の給与と言うものが設定されていることが多いです。
インドであれば年収162万5千ルピー(2020年3月現在 約240万円)
マレーシアは月収5000リンギット(2020年3月現在 約12万5千円 年収約150万円)
が外国人へのビザ最低賃金として設定されています。

給与の実態
しかしマレーシアはビザ基準最低月収5000リンギットと言いつつ、実際には未経験でも6000リンギット以上からの求人がほとんなので、ビザ基準を把握しつつ実際の給与設定も調べてみる必要があります。
※反対にビザ基準より低い給与で募集しているところは違法の可能性があるので避けて下さい。

国により異なる所得税率に注意

先ほほどの給与は税引き前の給与ですので、実際に手取りがいくらになるのかの方が大事だと思います。
所得税率は国により規定が違いますので各国の規定を調べて計算してみることをお勧めします。
実際に求人を受ける段階では、応募先企業やエージェントに手取り額を聞いてみるのも良いでしょう。

例えば、
インドの所得税は約20~30%
※住宅費など控除される項目により異なります。

マレーシア 居住者と非居住者により異なる。
非居住者(滞在日数182日以下)は最高税率の28%
居住者は累進課税ですが、現地採用の月給与5000~10000リンギットだとざっくり7~10%くらいです。

給与交渉の段階では手取り額で交渉するのもありです。

給与は交渉次第で提示より上がる可能性があります。ご自身の経験やスキルなどによって交渉してみて下さい。(むしろ交渉しないと上がりません)

福利厚生・手当

・通勤手段やその他移動手段
・住居
・保険
・年金
・有給

手当の種類や数によって月々の支出も変わるので後ほど記載の生活費計算のところにも関わってきます。
保険や年金は日本だと加入が当たり前かもしれませんが海外では国や会社によって異なります。
求人票に記載がなければ基本的に無いと思ってください。

・保険は適用範囲も大事です。(通院のみ、入院のみ、クリニックのみなどの制限や限度額など)

・年金制度は現地のものであれば負担割合や受け取り方法、利率など。

・有給日数。病欠休暇を別で設定している場合と病欠も含む場合などがあります。病気休暇制度がある場合も適用要件(病院で診断書をもらわなければいけないか)なども確認してみてください。

どうしても譲れない条件面はきちんとエージェントさんに伝えて、ない場合も交渉可能の場合もあるので確認を。

休日日数

日本を離れるまで他国の祝日や祝日日数などあまり考えたことがなかったのですが、当然ながら違います。日本は祝祭日の多い国です。
国全体での祝日と州ごと宗教ごとに違う祝日などもありますし、会社によって取り入れている祝日の日数が違います。
また特に製造業では土曜日に出勤の会社が多い印象です。年間300日稼働という会社も聞いたことがあります。
年末年始も日系企業では休みにしているところもありますが、インドもマレーシアも年末年始は元旦のみお休みという会社が多かったです。

マレーシアは多民族国家のためそれぞれの民族の祝日が適用されて年間休日は日本並みに多い所が多いです。
インドも多民族ですが会社ごとに休日はばらつきがあるようでした。
ちなみに私がインドで勤めていた会社は年間休日は約85日+有給(病欠含む)は14日でした。

現職(マレーシア)で驚いたのが、「Company shut down」という会社が別途設定している休日に有給が消化されるということです。入社してから知りました。

このように国や会社によって休日の設定はさまざまなので気になる場合はエージェントや会社に確認してみてください。

「土日祝休み」と書いてあっても「有給を除いて年間休日は何日ですか」など祝日の日数が実際に何日あるのか聞いてみた方が良いです。

絶対に譲れない条件や、優先順位などを明確に

私の場合
1回目は
・とにかく海外へ
・移住のコスト最小限
・未経験でも可能な仕事

2回目は海外で暮らせることが分かったので条件面をより良いものにすべく
・仕事内容:法人営業職、国内外出張多め希望
・土日祝休み(年間休日120くらい欲しい)
・住居、交通費(車)会社負担もしくは同等分の給与アップ

という感じで探しました。
実際には1度目の転職の際は知らないこと分からないことが多かったので、条件面等をあまり検討しなかった(仕方が分からなかった)のが事実です。
この辺もこちらから聞かなくても教えてくれるエージェントさんだとかなり親切だと思います。
(条件が増えると面倒なので普通は向こうからあまり提案してくれない)

複数の内定をもらえば給与や条件面アップの交渉がしやすくなります。

後でもやもやしたまま就職しないように頑張って交渉しましょう。

2度目の転職の際は他社条件を盾に交渉しまくりました。それでも入社して「もっとここ聞いておけばよかった、もう少し交渉すればよかった」と思うことも多かったので、遠慮せずまずはエージェントさんに聞いてみましょう。エージェントさんのさじ加減もありますが、無理のないものは交渉したり質問したりしてもらえます。

もっと検討すべきだったと思うこと。

実際の会社の雰囲気などは働いてみないと分からないので難しいところですが、社風や雰囲気は確認できるのであれば確認した方が良いと思います。
ご自身に合う環境がどんな場所であるかはなかなか難しいですが、ここにずれがあると辛いので出来るだけ詰めていけたらよいと思います。
これは私も最近気づいたことですが、歴史が長かったり伝統のある会社は古き良き(悪しき)日本文化が残っているところが多い気がします。苦手な方には辛いです。(私は苦手です。)

仕事内容も一言で営業と言ってもいろいろあります。例えば私の場合、「営業職なのに結構内勤が多い」ことが地味にストレスです。対人ワークが好きなので事務作業の割合が多いと疲れを感じます。

いろいろ考慮に入れても完璧な職場はまずないので妥協も必要ですが…

生活面での国を選ぶ際のポイント

仕事だけでなく実際にその国で生活できるのかも重要なポイントです。

環境面

例えば気候の違いです。
北インド
・45度の灼熱から10度以下になる冬まであり、冬は大気汚染がひどい。
・基本的に乾燥しているが、雨季は温度・湿度ともに高く蒸し暑い。
・雨が降ると排水がうまくいかず道が川になるところも多い。
・雨季には蚊が発生する為、デング熱に注意。

マレーシア
・年中25度~35度
・雨季はあるが、日本の梅雨とは違い短時間に大量の雨が降る。
・湿度は年中高めなのでカビが生えやすい。
・夜は涼しいので日本の夏より過ごしやすい。
・蚊には同様に注意

国や地域によって環境は違います。耐えられない環境ではないか確認を。

文化・宗教

インドもマレーシアも多民族国家で宗教も様ざま。貧富の差も大きく格差社会です。
外国人に強要はされませんが、宗教が深く生活に影響を与えていることが多いので各宗教のタブーや特徴は知っておくほうが良いです。

食文化

例)

インド:都市部では様々な料理が食べられるが、メインはインド料理。屋台の料理は安価だが衛生面が心配なお店が多い。ベジタリアンが多い。牛を食べない(通常手に入らない)。マンゴーが安くて超美味しい。チャイは1日3~5回飲む。水道水は飲めない、など

マレーシア:多民族国家なのでマレー・中華・インド料理+各国の料理も楽しめる。屋台の料理は美味しくて安価。ムスリムのマレー系は豚肉とアルコール禁止だが中国系は食べるため普通に手に入る。アルコールは比較的高価。トロピカルフルーツ天国。水道水は飲めない、など。

自炊する場合も手に入る食材・入らない食材などあります。

インフラ状況

例)
・インドのデリーやグルガオンはメトロが走っており便利
・マレーシアのジョホールバルは公共交通機関が発達しておらず車社会
など移動手段の確保は重要です。
福利厚生の部分で車が支給されるのか、交通費の補助があるのかなども合わせて確認しましょう。

生活に必要な経費を計算

実際に生活できるのか、貯金したい場合はどの程度貯金できるのか、

生活費は各国いろんな方がブログなどにまとめてくれてますので行きたい国などによって調べて見られるのが良いと思います。
人によって求める生活水準は違うのでいろんな人の意見を参考に試算してみてください。
私の生活費に関してはこちらに記載しています。

各国のOnlineショップなどで物価を見てみるのも良いと思います。
(参考までに↓)
・インド:Amazonインディア
・マレーシア:Lazada (日用品)Tesco(スーパーのオンラインショップ)

<生活費確認項目>
・住居費
・光熱費
・食費
・通信費
・医療費
・被服費
・交通費
・その他生活必需品
・趣味や娯楽費

物価について

物価は単純に説明するのは難しいです。

発展途上国の場合現地の生活水準で比べれば物価は日本よりかなり安くなりますが、

日本人が日本の生活水準のままではその価格では生活できません。

例えばインドの場合、
トイレットペーパーなど紙製品は高価だったり、
食事は屋台だと安く1食30円~100円程度で済みますが、衛生面が気になったり、3食インド料理だと難しい人も多いと思います。日本食を始め、インド料理以外は日本と同じくらいの価格だったりします。
自炊をする場合も、現地の人が良く使う食材は基本的に安価ですが、日本の調味料など輸入品等は日本より高価です。

同様に衣服も、現地の方が着ている服やローカルマーケットだと安価ですが、輸入品は割高です。

通信費は日本より安いところが多いです。
プランにもよりますが、私はインドではひと月500ルピー(約750円)、マレーシアでは50リンギット(約1250円)程のSIMカードを使用しています。

住居について

マレーシアの住居は安いです。
1人暮らしであれば月5万円で1~2LDKでジム・プール付のコンドミニアムに住めます。
不具合は日本の住居よりは多めかと思います。修理対応はオーナーや管理会社次第ですが、日本よりはゆっくりです。

インドのコンドミニアムは価格が比較的高く、トラブルも多めです。
現地の方が多く住んでいるところは比較的安いですがセキュリティ面など不安であったりします。
契約の仕方やトラブル時の対処など初めての場合はエージェントを挟む方が良いかもしれません。

同じ物件でも外国人に提示する価格が違うことも多いです。
現地の物価感覚が分からないうちは判断がつかないので、住居探しが難しいと感じる一因になります。

生活が基盤に乗るまでのサポート

新しい土地では何がどこにあるのか分からず生活に必要なものをそろえるのも大変です。

家探しや、必要なものの買い出しなど、会社の人がどの程度サポートしてくれるかも生活始めには重要なポイントです。
面接時に確認したり、転職エージェントに他の就職者の様子をうかがってみるのが良いでしょう。

まとめ

基本的に日本の常識は海外では非常識と思っておいた方が良いです。
先入観や固定観念は一旦置いておいて、明示されていないことは何でも調べる・聞く癖を付けましょう。
遠慮していると後悔することになりかねないので、自分の希望はしっかり主張し、疑問点はクリアにしましょう。

ご自身にとっての優先順位をしっかりと把握し、後悔のない転職を!

 

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